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ゆう動物病院のBlog

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ゆう動物病院

症例

股関節脱臼 大腿骨頭骨頚切除手術

こちらは2歳5ヶ月のトイプードルの女の子です。

掃除機に怒って、床で足を滑らせてから、左後肢を痛がってるとのことで来院されました。

 

触診とレントゲン検査で股関節脱臼と診断しました。

脱臼した股関節は診察中に戻せたため、まずは手術はせずに、痛み止めの内薬でひとまず様子を見ることにしました。

しかし、その後も痛みが引かなかったこと、痛みが出るとキャンキャンと強い痛みを訴えるため、飼い主様と相談して手術を行うことにしました。

 

手術方法は「大腿骨頭骨頚切除手術」を選択しました。

手術後の経過は順調で、歩行も痛みもなく、調子も良さそうです。

 

  

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大腿骨頭骨頚切除手術(FHO)

大腿骨(太ももの骨)の先端部分(股関節のところ)部分を切断することで痛みがなくなり、歩行機能が回復させる手術です

股関節脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病、股関節形成不全、大腿骨骨折、寛骨臼骨折などで行う手術です。

 

今回のように股関節脱臼を起こす強い痛みがでて歩けません。FHOをしてあげると、股関節脱臼をしなくなるので痛みが緩和します。

 

 

 

 

 

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がFHOを実施した股関節、反対側が手術をしていない股関節です

心臓病 僧帽弁閉鎖不全 肺水腫

こちらは9歳のマルチーズの女の子です。 

「昨日から食欲がなく、今朝から呼吸が荒く、動かない」とのことで来院されました。

 

来院時は呼吸が荒く、元気もなく、聴診で心臓に雑音があり、呼吸音も異常がありました。

僧帽弁閉鎖不全症による心原性肺水腫を疑い、酸素吸入を行い、落ち着いたところで血液検査、超音波検査、レントゲン検査を実施しました。

結果は肺水腫でした。

 

そこで酸素室での入院治療としました。

一時は非常に危険な症状でしたが、なんとか治療に反応してくれて、症状が落ち着いたところで無事退院になりました。

退院後は内服薬による治療で良好な経過をたどっています。

 

《内服薬》

 ACEI

 ピモベンダン

 トラセミド

 スピロノラクトン

 

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レントゲン検査 (初診時)

左のレントゲン検査を拡大

心臓の後ろが白く曇っています(肺水腫)

心臓のサイズも肥大化しています。

   

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 治療後のレントゲン検査

 

 左のレントゲン検査を拡大

心臓の後ろの白く曇った所がなくなりました

肥大化してた心臓のサイズも小さくなりました

呼吸困難の猫ちゃん 縦隔リンパ腫 抗がん剤治療

こちらは2歳のミックス猫の女の子です。

8月初旬に体調不良で来院されました。

主な症状は、

 

 ①1週間前から食欲が減りだし、ここ数日は全く食べていない

②興奮時などは呼吸が早い時がある

 

 

 

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超音波検査を実施したところ胸部に液体が貯留しているのが見つかりました。そこで局所麻酔下で細めの注射針で刺して検査すると血液様の液体が溜まっていました。(右写真)

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胸部から抜いた液体の一部

 

胸水を抜いた後のレントゲン検査では、胸の中の縦隔というところに腫瘍疑いの病変が見つかりました。(右写真ので囲んだところが病変部)

 

血液検査も実施しました。

胸水の細胞検査の結果、「縦隔型リンパ腫」と診断しました。

 

 

《猫白血病ウイルスとリンパ腫》

縦隔型リンパ腫は猫白血病ウイルス(FeLV)感染率が高く70〜85%と言われています。

このこもFeLV陽性でした。

 

 

 

 2019 12 20 18.09.00肺はレントゲンでは黒く写りますが、この子は白く写っています(で囲んだところが白く写るのが異常)

《 治療》

抗がん剤治療を開始しました。

 

抗がん剤投与後の翌日

自力でお水を飲みだし、チュールも食べだしました。呼吸も改善したとのことです。

 

抗がん剤投与5日目

明らかに元気になってきてるとのこと。食欲も戻り、呼吸状態も正常になったそうです。

 

その後は抗がん剤を継続中です。

レントゲン検査でも腫瘍が小さくなっています。

(右写真ので囲んだところ)

現在は体調も良く、元気いっぱいで食欲もあり調子もいいです。

 

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で囲んだところ.。白く写っていた腫瘍が小さくなっています。上の写真と比較するとわかりやすいですね

 腫瘍の治療は、手術で切除する腫瘍、抗がん剤治療適用の腫瘍、放射線治療が必要な腫瘍など、腫瘍の種類によって異なります。

腫瘍の種類によっては副作用がきついわりに、効果が弱く飼い主様も動物たちもしんどい場合あります。

当院では、動物の負担を最優先に考え、いくつかの治療を提示して、飼い主様と一緒に相談しながらその子にあった最善の治療を決めています。

今回はリンパ腫は抗がん剤治療が非常によく効いてくれる腫瘍ですので、相談して抗がん剤治療を実施しました。来院時には非常に危険な状態でしたが、幸いにも抗がん剤がよく効いてくれて、抗がん剤治療後数日で元気になってくれて、本当によかったです。

椎間板ヘルニア

 ※3月29日金曜は臨時休診日です。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします

9歳のMダックスの女の子です。

前日は歩き方がフラフラしていたが、本日からほとんど歩かず、後ろ足を引きずっているとのことで来院されました。

両側の後ろ足が麻痺を起こしており力が入らず、腰も痛そうでつらそうでした。

身体検査、神経学的検査、レントゲン検査から椎間板ヘルニアによる麻痺を疑い、皮下注射および入院によるケージレストを実施しました。

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両側の後ろ足麻痺の様子

※写真はこの子ではありません。

 

腰の椎間板疾患の重症度分類はグループI(軽傷)〜Ⅳb(重症)に分類されます。

グループⅠ:初めての背部痛、神経症状なし

グループⅡ:痛みの再発、歩行可能な不全麻痺

グループⅢ:歩行不可能な不全麻痺

グループⅣa:両側麻痺、深部痛覚あり

グループⅣb:両側麻痺、深部痛覚消失後48時間以内

グループⅣc:両側麻痺、深部痛覚消失後48時間以上

このこは重症と言われるグループⅣaでした。

 

翌日、幸いにも症状は少し改善し、腰痛は軽減、機嫌よく少し尾を振れるまで回復しましたが、両側後ろ足の麻痺の改善が認められなかったため、CT検査を実施しました。

 

CT検査の結果、第二〜第三腰椎右側からの椎間板ヘルニアハンセン1型と診断されました。

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↑  横向きのCT

L2-L3 下から椎間板ヘルニアによる圧迫があります

 

上から見たCT  →

右側(写真では左側)からの椎間板ヘルニアによる圧迫があります

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手術後2日目

そこで翌日に椎間板ヘルニアの手術を実施しました。

経過は順調で手術翌日には立てるようになりました。

 

手術後6日目

全く力が入らなかった両足もしっかり立ち上がれるようになりました。

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手術後14日

手術の抜糸を行いました。少しふらつきはありますが、しっかり歩けるまでに改善しました。

 

その後リハビリの通院を続けてもらっていますが、日に日によくなっています。

皮膚病 甲状腺機能低下症 アレルギー

こちらは10歳の柴犬の男の子です。

2年以上前から皮膚病があり、近くの病院で治療していたが、少しづつ進行して全身脱毛になってしまったとのことで来院されました。

皮膚検査と甲状腺ホルモン検査、アレルギー検査(IgE)を実施させていただき、甲状腺低下症、アレルギー(ハウスダスト、雑草(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ホソムギ))と診断しました。

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治療開始日の様子

全身の脱毛と皮膚の肥厚もひどいです。強い痒みもあり眠れないくらいでした。特に胸から前足のあたりは、まるで像の皮膚のようにあれていました。

外耳炎もひどく、耳の中で化膿していました。

 

わんちゃん自身も痛いらしく、元気も低下していました。

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甲状腺ホルモンのお薬と、抗生剤、抗炎症薬、抗真菌剤の内服薬で治療を開始しました。 

 

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治療1ヶ月後

かゆみも軽減し、よく眠れるようになりました。

皮膚の肥厚もずいぶんましになり、腰から太もも、肩に発毛がみられました。

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その後は定期的な通院を頑張ってもらいました。

飲み薬とシャンプーを続けた結果、少しづつ毛が生え始めました。

今では全身に毛が生えるところまで回復しました。

顔つきもすっかり若返り、今ではツヤツヤでモコモコの毛が生えました。お散歩中に毛並みを褒められるんだそうです!!

 

写真で比べると同じわんちゃんとは思えないですね!!

 

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現在 治療中

皮膚が正常になり、毛もしっかり生えそろいました。

甲状腺ホルモンのお薬、抗真菌薬、抗炎症薬は継続中ですが、今後さらに減らし、休薬を目指しています。

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前十字靭帯断裂(膝蓋骨内法脱臼)

こちらは6歳のチワワの女の子です。

『ソファーから飛び降りてびっこ引いてる』との主訴で来院されました。

触診とレントゲン検査を実施したところ、膝の前十時靭帯断裂膝蓋骨内法脱臼と診断しました。

※膝蓋骨内法脱臼があると、日頃から負担がかかっているため、併発症として前十字靭帯断裂を起こします。

 

手術を実施し、術後は経過良好、抜糸も終わり、びっこもほとんど引いてないそうです。

 

 

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ウサギさん 避妊手術

こちらは生後8ヶ月のウサギちゃんです。

避妊手術を行いました。術後も経過は良好で、先日無事、抜糸を行いました。とっても元気で良かったですね!!

 

 

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ハリネズミちゃん 皮膚のダニ感染

ハリネズミちゃんも健康診断オススメしています

 

こちらは生後3ヶ月の女の子です

1ヶ月前から飼い始めているが、何となく体を痒がっているとのことで来院されました。

 

フケもそれほど多くはなかったのですが、特に耳の後ろをよく掻いており、検査を実施するとダニ感染が認められ、治療しました。

飼主様が気になって早めに連れてきて頂けたので、早期発見できました。

 

ハリネズミちゃんは、ダニの感染が比較的多いように思います。それほど症状がなくても、気になるようであればご相談下さい!!

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脾臓腫瘍と子宮蓄膿症併発 ヨークシャテリアちゃん

 こちらはヨークシャテリアの女の子です。

数年前に保護された子で、年齢は不詳です。

 

「昨夜から下痢・嘔吐をして、元気が全くない」とのことで来院されました。

 診察時、ぐったりしていて、診察台の上で横たわったまま動きませんでした。かなり重傷でした。

 

触診検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査を実施した結果、以下の4つが原因でしんどくなっていることがわかりました。

①お腹の中に腫瘍がある

②子宮の炎症があり腫れている

③貧血

貧血の数値:Ht 19.4%(正常は35〜45%)

※正常の半分くらいしかありません

④血小板減少(出血を止める細胞が少ない)血小板5千/μl(正常は20万以上)

 

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退院後順調に回復し、抜糸を行った時の様子です。

自分で歩き回り、よく食べてとっても元気になりました。初来院時は、立つこともできず横たわり、意識ももうろうとしていました 

 そこで、まず輸血を行い、貧血と血小板減少症を治療しました。その後点滴も行い可能な範囲で体調を整えた後に、お腹の腫瘍摘出+子宮摘出手術を実施することになりました。

手術は無事成功し、お腹の腫瘍は『脾臓の腫瘍(平滑筋肉腫)』、子宮の拡張は『子宮蓄膿症』でした。

 

手術後の入院中にさらに2度輸血し、元気になって無事に退院しました。その後の経過は順調で、先日抜糸も行いました。

 

いろいろ大変でしたが、元気になっ良かったですね!!

 

 輸血のドナー犬を募集中です!!

病気の動物たちの中には輸血することで助けられる命もあります。当院では看板犬ぽんずや、スタッフの愛犬・愛猫たちに協力してもらっています。しかしそれでも足りない時には、輸血ドナー登録頂いている動物や、患者様自身のお知り合いの動物たちにも助けて頂いております。

 

当院では輸血ドナーになっていただける方を随時募集しています。

ご興味のある方は当院スタッフまでお問い合わせ下さい。

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◯で囲んだところが首です。内出血しています。

血小板減少が起きると皮膚の下で内出血することがあります。

原因不明の内出血は要注意です

 

フクロモモンガ 指手術

こちらは生後3ヶ月のフクロモモンガさんです。

「指に髪の毛のようなものが絡まっていたがっている」とのことで来院されました。

 

右手の人差し指の先端が黒く変色していました。よくよく見ると確かに細い髪の毛のようなものが第一関節と第二関節の間あたりに絡まっていました。その結果、指先に血液が行かなくなり、先端の細胞が壊死(ダメになる)してきていました。

 

放っておくと指の先端が腐ってなくなってしまうので、飼主様と相談し、鎮静麻酔をかけて手術になりました。

髪の毛のようなものを除去すると、既に巻き付いていた部分のお肉がなくなり指骨が少し出ていました。断端を丁寧に整え、細い手術用の糸で5針縫いました

 

術後の経過は良好で、先日無事抜糸し、完治しました。

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抜糸後の様子です。とっても元気です。

この子は飼主様の娘さんがよく面倒を見ているそうで、今回も娘さんが見つけてくれました。

今回は幸いにも完治しましたが、あと1日発見が遅れていたら、指がなくなっていたかもしてません!!お手柄でしたね!!

 

わんちゃんや猫ちゃんに比べ、フクロモモンガやハムスターなど小さい動物たちは、変化にも気づきにくいものです。よく観察することがとっても大事ですね

 

手術後の様子 右写真→

で囲った部分が手術後の指の様子です。よく見ると、髪の毛より細い縫合糸が見えます。

抜糸時には指の先端の色も正常になりました。

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